ブラジリアン柔術とは?
「日本の武道で、世界に挑戦する」
100年前、志を抱いた一人の男が海を渡った・・・
ブラジリアン柔術(グレイシー柔術)の歴史と、
その魅力についてご紹介します。
「日本の武道で、世界に挑戦する」
100年前、志を抱いた一人の男が海を渡った・・・
ブラジリアン柔術(グレイシー柔術)の歴史と、
その魅力についてご紹介します。
グレイシー柔術のルーツ・前田光世。コンデ・コマ(コマ伯爵)とも呼ばれ、無敵の柔道家としてその名を馳せた。今なお史上最強の柔道家としての呼び声も高い。
グレイシー柔術とは、寝技、関節技を主体とした実践的な格闘技であり、その由来は、古流柔術と柔道が混在していた明治時代にさかのぼります。
1904年、講道館の猛者・前田光世は、柔道使節団の一員として渡米。柔道の普及のため、各地でボクサーや拳法家、プロレスラーと「異種格闘技戦」を行いました。
世界を転戦し、1000戦以上に及ぶ試合に勝利をおさめた彼は、最後に移り住んだ南米ブラジルで、移民の息子カーロス・グレイシーに、護身術として柔術を教えることになります。カーロスの末弟エリオ・グレイシーによって高められたその格闘技術は、「グレイシー柔術」として、以後60年にわたり、ブラジルで独自の進化を遂げていったのでした。
グレイシー柔術を体系化したグランドマスター、 始祖エリオ・グレイシー(2009年逝去)
やがてその完成された技術体系は、1993年、アメリカで行われた過激な格闘技イベント・アルティメット大会でベールを脱ぐことになります。一族の代表ホイス・グレイシーは、参加選手中、最軽量にもかかわらず圧倒的な強さで優勝をおさめ、グレイシー柔術は一躍、脚光を浴びることになりました。
こうして、格闘技の表舞台に出たグレイシー柔術は、現在では「ブラジリアン柔術」とも呼ばれ、現在では世界中の道場で学ぶことができます。
緻密に体系化されたそのサブミッション技術は、誰にでも身につけられる実践的な格闘技として、またゲーム性が高く楽しめるスポーツとして、プロ格闘家をはじめ、多くの人々に楽しまれています。
厳しい上下関係や、怖い、痛い、殺伐とした雰囲気など、格闘技道場にありがちな敷居の高さがありません。フレンドリーな環境で、無理なく練習できるスタイルが、忙しい現代人の生活にマッチしています。
アカデミーでは、小学生から50代の方まで、幅広い年齢層の会員さんが練習に励んでいます。30代、40代の初心者から始めても、ライフスポーツとして続けられる楽しさは、柔術の大きな特徴と言えるでしょう。
グレイシー柔術は、誰もが身につけられるよう工夫された格闘技。素質や才能に頼るところが少なく、努力したぶんだけ強くなれます。試合や練習で、覚えた技が決まったときの充実感は、何ともいえません。
柔術のルールでは、打撃が禁じられています。また、練習は衝撃を吸収するマットの上で膝立ちの状態から行います。そのため、膝や腰など体を痛める危険が少なく、安全に練習に励むことができます。
柔術には、体格や腕力で上回る相手を制するための、テコの原理による多彩な技術があります。相手の力を技で制し、先を読み、勝利を狙う。まるで将棋のようなゲーム性の高さ、奥の深さも魅力です。